ストーリー
世界のカジノ王「ラスベガス・サンズ」CEOのアデルソンは、日本進出を狙っていた。1兆円という巨額の投資額。ターゲットは横浜港の山下ふ頭だった。藤木が長年仕切ってきた現場だ。アデルソンは、トランプと安倍の首脳会談の前に開かれた朝食会にも出席している。態度を曖昧にしてきた市長の林文子は、カジノ誘致に向けて動き出した。これに敢然と立ち向かったのが藤木だった。藤木は横浜大空襲を生き延び、父親の時代からの港湾を引き継いできた。
藤木の反対はただの反対ではない。藤木が辿ってきた背景がある。港は苦難の歴史だった。日雇いで危険と隣り合わせ。荒くれ者が集まり、博打は当たり前。野毛の木賃宿でその日暮らしの不安定な生活。家族持ちは、はしけの中での水上生活だ。その港の苦難を知り、博打が行われていた時代を知り尽くしているからこその反対だ。身体を張った勝負師の行動は、多くの市民、自民党の長老、カジノ側の人物までも動かす。カジノ関係者が公にしたその実態は驚愕だ。
一方、横浜市民のカジノ反対の動きは燎原の火のごとく広がっていた。コロナ禍の中で、市民は住民投票を求めて法定数の3倍を超える19万超の署名を集めていた。だが、その声は市議会に届かず、横浜市長選に持ち込まれる。藤木は無名の新人を押し立て、現職市長、そして、菅側近の現職閣僚を相手に闘うことになる。無謀とも言える闘い。藤木は市民の力にかけた。藤木と署名を集めた市民とを結びつけたのはー。
藤木が長年大切にして義理人情恩返しの世界が結合し、大きなうねりとなった。
コメント
(元テレビ司会者)
(日刊ゲンダイ第一編集局長)
さわやかな風が胸を吹き抜けた。横浜のハートとも言える港湾に生きた一人の男の実に深い人生の機微を小気味好く描いている。極めて政治的なテーマをしたたかに撮り切った監督に拍手!
(映像作家)
(映画監督)
(作家)
(元文部科学事務次官)
毀誉褒貶の多い「ハマのドン」こと藤木幸夫氏。人生91年を生き抜いて故郷である、横浜の港を命を掛けて守り通す。バクチは許さない、カジノは作らせない。 この情熱は何処から湧いて出るのか?今はなくなりつつある任侠道の世界から来ているのか?昭和が生んだ人物であるとも言える。
(ザ・アール創業者)
(元文部科学省官房審議官)
(映画監督)
(ジャーナリスト)
(「東京新聞」記者)
(映画『教育と愛国』監督)